ししゃもの雑記

子育て中のアラサー主婦が好きなことを気ままに綴ってます

赤ちゃんのソラマメ頭を治そうとしてる話

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私は美容師さんから「マネキンみたい」と言われるほど頭の形が良い。ショートカットもポニーテールも綺麗にまとまる。頭の形で悩んだことなど一度もないし、自分の身体の中では一番自慢できるところではなかろうか、とすら思っている。

しかしながら、実は母のお産は難産だったらしく、私は医者から頭を引っ張ってもらって産まれている。なので、乳児の頃の写真は母の膝の上に鎮座した赤子の顔をした仙人のようだった。頭頂部はお空に向かってぐぐっと伸びている。加えて、頭部の途中に器具によってついたであろう段差までお目見えしていた。こんな仙人頭がいつの間にかマネキン頭になったんだという自負もあって、最初は息子の頭に関してもそこまで深く考えていなかったのだ。

そんな私が息子の頭の形を気にし始めたのは里帰り中に息子にうつ伏せの練習をさせていたとき。うつぶせになり必死に顔中の力を入れて踏ん張っている息子が可愛すぎてスマホで写真を取りまくっていた。意外と顔あがるじゃない!すごいぞ、息子よ!と思いながら母に横から撮った写真を見せたその時である。

「頭、めっちゃとんがっとる。」

母と二人で、はたと気づいてしまったのだ。後頭部に丸みがない。ガタガタしている上に縦長い。例えるならソラマメとでも言おうか。食べることにおいてソラマメは申し分なく好きな私だが、息子の頭の形となれば話は別だ。お世辞にも綺麗な後頭部とは言えなかった。

そんな息子には向き癖があり、寝ている時は右側に傾きがちであった。横から見ればソラマメの息子の頭部は上から見ると右側がぺったんこだった。なんと、横から見れば絶壁、上から見れば斜めだったのである。だから右を向いて寝てしまうのか、右ばっかり向いてたから右がぺったんこになったのかはもはやわからない。ただ、残った事実は、上から見ても横から見てもちょっと不格好だということだった。

流石に放置していてはやばい、と思った我々はそれなりに対処しようとした。背中にバスタオルを入れて向きを変えてみたり、西川のドーナツ枕を買ってそれに寝かせてみたりした。が、寝付きがイマイチで泣き出してしまうため、どうしても睡眠時間を確保したかった私は使ったり使わなかったりとテキトーなことをしてしまった。

 

本格的にやばいと感じたのは自宅に戻り、区のセンターで子育て教室に参加したときである。我が子のようなソラマメはほぼお見かけしなかった。たいていは男爵いも、もしくは、きたあかりといったジャガイモのようである。気になる方は画像検索してみていただくと分かるが、割ときれいな球形だ。丸みを帯びた赤ちゃんの頭に羨望の眼差しを向けるとともに、心の中で自分の睡眠時間を優先してバスタオルと枕をサボってしまったことを息子に詫びる。

近くに座っていた赤ちゃんは吸引分娩で生まれたという話だったが、本格的な陣痛からたったの5時間で産まれてきたうちの息子よりキレイな頭部だった。

 

これはまずい。

 

ここからとんでもなく焦った私は、ネットを駆使していろんな対処法を探した。斜頭という言葉が気になって眠れなくなり、深夜眠りこける夫にヘルメット治療を受けさせたほうがいいのか唐突に相談した。

「来週、検診あるんでしょ?先生に聞くのが一番だよ。」

寝ぼけている割にド正論である。。こういう時、一緒にどうしよう~心配だね~と悩んでほしい乙女心(30歳過ぎていることを認識した上であえて使う)は封印して論理的な夫の意見を採用してひとまず眠ることにした。

 

検診の日、気になることの欄に「向き癖があり、頭の形が斜め。かなりいびつ。」と記入し、先生もその欄に直ぐに目を通してくれた。

「おかあさん、赤ちゃんてのはね、そもそも向き癖があって収まりやすいほうに収まっちゃうものなのさ。時期気にならなくなるから。」

そんなもんか。検診中、ソラマメ型の赤ちゃんを一人発見してすこし安心した。

とはいえ、放っておけるような性格でない私は、お家でできる程度の対策だけやることにした。

背中にバスタオルを入れる
首がすわって力がついた息子の前には非力だった。さっさとバスタオルがないところまで移動してご機嫌な顔をしていた。頭を右に傾けて。

息子に左方向に家族が座る
声がしたり、家族がいる方に向きやすいという話を聞いたので、向き癖と逆方向の左側に家族が見えるようにベビーラックをおいた。
窓の方ばかり見ていた。頭を右に傾けて。

息子の左方向に窓が見えるようにする
その後、赤ちゃんは光のほうを見るという話を聞いたので、向き癖と逆方向に窓が見えるようにベビーラックをおいた。
私達家族の方ばかり見ていた。頭を右に傾けて。

ここまでやってみて、息子はどうやら見たいものをみるというよりは向き癖のなすがままに寝転がっていることがわかった。

頭を正面に向けようが、少し左側に傾けようが、瞬時に首を右にかしげてしまう。
どうしたもんかと困っているそんな私に一筋の光が差した。

タミータイムというものを知ったのである。赤ちゃんを腹ばいにして遊ばせるというものだ。首の筋肉を鍛えるとともに頭部の形を整える効果もあるらしい。うつ伏せ遊びなら少しずつやっていたし、この時間を延ばしていけばいいのか!!さっそくやってみる。

息子をうつ伏せにして遊ばせる。首も座っているので、しっかりと首を持ち上げてニコニコしていた。これを毎日一日に数回繰り返す。頭の形はそう短期間に目に見えて変わるものではないだろうが、毎日少しずつ遊べる時間が伸びてきてこれを続けていれば数カ月後には頭の形が改善しているのではないだろうかという期待に胸が膨らんでいた。

うつ伏せになりながら絵本を読んだりおもちゃで遊んだりできるようになったある日のことである。

うつ伏せで遊んでいた息子が「ふんっ」と力を入れて体を捻っている。ちなみに寝返りはできないので、うつ伏せ遊びさせる時はわたしが抱っこしてうつ伏せの状態にしていた。

「ふんっ」と下半身に勢いをつけて動いている。

 

ごろん。

 

仰向けになった。そして仰向けになった息子は得意げに私を見て天使のような笑みを浮かべた。少し頭を右に傾けて。

 

息子は寝返りができないくせに、寝返り返りというスキルを身につけてしまった。タミータイムが短くなったことは言うまでもない。

私と息子の後頭部の傾きとの戦いは続く。